【密着】アメリカ・Windurra USAでの1日 〜五輪を目指すトレーニング生活〜
アメリカ・ペンシルベニア州にあるWindurra USAでの生活が始まってから、毎日が刺激と学びに溢れています。この記事では、僕の1日のスケジュールを紹介しながら、どんな日々を過ごしているのかをお伝えします。
6:00 起床・朝の準備
朝は6時に起床。簡単にストレッチをして体を目覚めさせたら、朝の準備に取りかかります。外はまだ薄暗く、空気はひんやりとしていることが多いですが、馬たちの1日はここから始まります。
7:00 出勤・厩舎作業
7時には厩舎に出勤します。まず行うのは馬房掃除、水の交換、藁の補充、そして通路や共用スペースの掃き掃除。どんなに忙しい日でも、馬たちが快適に過ごせる環境づくりは最優先です。風通しや床の状態など、細かな部分にも気を配るようにしています。
9:00〜16:00 騎乗トレーニング(7〜8頭)
その日のメニューと馬の状態に応じて、1日7〜8頭に騎乗します。スケジュールは毎日異なり、馬の性格や調子、そしてその週に競技があるかどうかによってもトレーニング内容は変化します。
主なトレーニング内容の例:
- ギャロップトラックでの速歩15分 + ギャロップ2本
- 心肺機能を高めつつ、バランスとリズムの強化を目的としたメニュー。
- ハック10分 + フラットワーク(FW)トレーニング
- ハックで馬の気持ちをほぐしたあと、馬場で基本的な動きの確認を行います。
- 速歩20〜25分 + フラットワーク(休み明けに多い)
- 少し長めの運動で、全身をほぐしてからの基礎トレーニング。
- ハックのみのメニュー(45分コースまたは1時間コース)
- 競技後のクールダウンやメンタルのリセットに有効です。
- クロスカントリーのスクーリング
- 水郷、バンク、ドロップなど様々な障害を使って応用力と実戦力を養います。
- 障害アリーナでのジャンプトレーニング
- ペースやライン、リズムの確認などを中心に調整します。
- プールでの常歩トレーニング(約30分)
- クロスカントリー後のリカバリーメニュー。関節や筋肉への負担が少なく、効果的です。
- 競技前日の馬場経路練習
- ドレッサージュリングで実際の競技と同じように通し稽古を行います。
このように、毎日内容が変化するため、常に柔軟な対応が求められます。
放牧の習慣
Windurra USAでは、どんな日でも馬を必ず放牧に出します。騎乗前に先に放牧して気持ちをリラックスさせる馬もいれば、運動後に放牧して疲れを取らせる馬もいます。放牧の時間と順番は、その馬の性格やスケジュールを考慮して決められます。
騎乗後の業務
騎乗が終わっても仕事はまだ終わりではありません。馬具の手入れ、水の補充、厩舎や馬場周辺の清掃、馬体のチェックやケアなどを行います。スタッフの人数が十分な場合は18時頃には終業できますが、人手が足りなかったり競技週で忙しい場合は19時頃までかかることもあります。
週ごとのトレーニング構成について
Windurraでは、1週間単位で見ても馬の状態に合わせた非常に計画的なトレーニングが組まれています。以下は一例です:
- 月曜日:軽めのフラットワークまたはハック
- 競技を行った馬はハック中心か軽いフラットワーク。体とメンタルのリカバリー。
- 火曜日:クロスカントリーのスクーリング
- クロスカントリーのスクーリングを行う。
- 水曜日:ギャロップデイ
- ギャロップトラックでの心肺能力強化のトレーニングを行う。
- 木曜日:障害練習
- 個々のレベルに応じてジャンプのトレーニングを行う。馬のレベルを揃えてグループ練習が多い。
- 金曜日:最終調整
- 競技に向けた仕上げ。馬場の経路練習を行う。
- 土曜日:競技会
- ONE DAYでの競技会が多い。
- ・日曜日: デイオフ(交代で) 完全休養で放牧のみにして馬をしっかり休ませる。
このように週を通じて、各馬の個性・調子・目標に合わせたトレーニングが施されています。
1日の終わりに
長いようであっという間の1日が終わると、夕食を取りながらその日の反省や翌日の準備を考えます。時には動画を見返して騎乗しているイメージが実際どんな感じなのかの確認。体力的にはハードですが、馬と過ごす時間は本当にかけがえのないものです。
日本で経験できない規模感とスピード感の中で、日々成長を感じながら五輪という目標に向けて突き進んでいます。
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