Maryland International + Horse Trials(2025年6月27日)競技レポート|Loch Moy Farms にて

会場紹介:Loch Moy Farms(ロックモイファームズ)

今回の競技会場は、メリーランド州にあるLoch Moy Farms(ロックモイファームズ)。住所は1235 Park Mills Road。この施設はアメリカ東部でも屈指の馬術競技場で、Majesticの名にふさわしい雄大なフィールドを備えています。

アリーナは広々としており、天然芝のクロスカントリーコース、最新のオールウェザー馬場、そして美しいパノラマを望めるロケーションが特徴。大規模なイベントも多く、USEA(全米総合馬術協会)でも頻繁に取り上げられる場所です。アクセスはやや田舎道を抜ける必要がありますが、牧草地の広がる景色と静けさに包まれた空間で、競技者としても観客としても一度は訪れる価値のある場所です。

さらにこの会場では、年齢や経験レベルに応じたクラス分けが明確で、ルーキーから上級者までが安心して出場できる配慮も整っています。トイレや給水所、休憩エリアの設備も整っていて、夏の炎天下でも安心して過ごせる点も魅力です。

出発〜到着:灼熱の1日が始まる

この日は朝6:00頃に出発し、会場までは約2時間30分。天気は久しぶりの快晴!……だったのですが、気温はまさかの34℃。完全な炎天下の中での競技となりました。

ありがたいことに、各馬の出番の間には少し余裕があり、しっかり水分補給をしながら準備ができたのは大きかったです。観客やスタッフもみんな汗だくで、それぞれの方法で暑さをしのいでいる様子が印象的でした。

ちなみに、ドレッサージュではこの日の気温を考慮して「上衣なしOK」とアナウンスがありました。

Joey(ジョーイ)— 上衣を着てしまったが落ち着いた演技

一番手はJoey。上衣なしでOKと知らず、黒ジャケットを着たままドレッサージュを行いました。それでも前回の競技よりも落ち着いており、トレーニングの成果が見られました。少しメインアリーナで物見をしましたが、全体的に良い流れで28.6というスコアで終了。

Honey(ハニー)— 信頼関係がスコアに現れる

2番手はHoney。今回が3回目のコンビでの競技出場となり、日頃のトレーニングからも信頼関係が強くなっていると感じていました。導線や待機馬場での少しの物見も、学んできたリラックスの方法でしっかり対応。結果、メインアリーナでは落ち着いた演技ができ、27.8と自己ベストを更新しました!

Ruby(ルビー)— 久々の出場でも好成績

3頭目のRubyは、約1ヶ月ぶりの競技。正直どんなテンションで出てくるか読めなかったのですが、いざ本番になると非常に落ち着いていて、演技はスムーズ。こちらも自己ベストを更新し、最後に審判からは「ネクタイしてしてるけど上衣着用じゃなくていいからしなくていいのよ(笑)」とコメント。日本では気温が高い場合、上衣の着用は自由でも男性はネクタイ着用が当たり前なので、文化の違いを実感しました。

Show Jumping:3頭とも大健闘

Joey

前回6落下だったジョーイ。今回は落ち着いてウォームアップができ、本番でも1落下のみ。普段の練習でボイドに言われた「アグレッシブに入って、ベルの前に一度呼吸を置く」を実践。少し1番が詰まってしまい落下しましたが、それ以外はしっかり飛越してくれました。

Honey

白いバーやプランクを嫌がる傾向があり、待機馬場では一度止まってしまい、少し心配しましたが、次回は派手なバーを使用する場所はもっと地上横木から慣らしていくように工夫が必要と反省。 本番ではスポンサー幕や袖を気にしつつも、アプローチは安定しクリアラウンドで終了!

Ruby

暑さに弱く注意力が散漫になりがちなRubyですが、この日は違いました。待機馬場から集中していて、コース中も5歳とは思えない安定感でクリアラウンド。ただし、駈歩中にたまにイレギュラーな走り方になるので経験しながら改善していく必要があると感じましたが、頼もしいラウンドでした。

Cross Country:全馬問題なく完走!

Ruby

若さから時々駈歩がイレギュラーになるものの、コース中はむしろ気合十分。2箇所ほど1歩少なくなる場面があったものの、力強く頼もしい走りを見せてくれました。

Joey

前回クロスカントリーは出場できなかったので、手探りの走行。序盤は緊張気味でしたが、中盤以降はナーバスさが薄れ、安定したリズムに。メンタルが難しい子だが自信をつけさせれば能力は高いと感じた。

Honey

本当は肢の回転が速いのでブレーキコントロールの練習もしたかったのですが、炎天下の3頭目ということもあり余裕がやや足りず。それでも無事完走!

最終結果と評価

  • Honey:27.8(同減点4位)
  • Ruby:29.2(7位)
  • Joey:32.6(11位)

ボイドからは**「Great Work Kenta」**とコメントをもらい、とても励みになりました。馬ごとの違いや個性がはっきり出た一日でしたが、どの馬とも良い経験になりました。

帰り道に起きた衝撃の出来事

帰路、グルームが運転していた車内で突然「うわっ!」と叫んだかと思うと、ドンッという大きな衝撃音。車内が大きく揺れ、トレーラーが転倒するのではないかと一瞬焦りました。

すぐに車を止め、外に出てトレーラーの馬たちを確認。幸いにも馬は無事でしたが、交差点では一台の車が大破し、エアバッグも全開。他にも後方の車がフロントを大きく損傷。

トレーラーの右側前方には、破損した車のバンパーと思われる部品がめり込んでおり、まさに”命の危機”を感じるほどの衝撃でした。交通量も多く、緊急車両の到着を待つ間は非常に緊迫した時間が流れていました。

事故後の一部始終は今も脳裏に焼き付いており、あらためて馬たちの無事が何よりの救いだったと思います。


この記事はここで前編終了。後編では事故の詳細、帰宅後の対応、そしてその日の振り返りについて綴ります。

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