アメリカでのトレーニング生活2日目。
この日は、総合馬術(Eventing)において非常に重要な、クロスカントリーに向けたギャロップトレーニングを行いました。
総合馬術におけるクロスカントリーとは?
クロスカントリー競技は、長距離にわたるコースを、
馬とともに自然障害を乗り越えながら走破していく種目です。
求められるのは
- 馬の心肺機能
- 持久力
- 精神力と集中力
- 騎手との信頼関係
この全て。
そのため、日常からしっかりとしたフィジカルトレーニングが欠かせません。
2日目のトレーニングメニュー
この日は約1マイル(約1.6km)の上り坂を使ってのギャロップトレーニング。
まずは、
- 坂道を**速歩(トロット)**で登り
- 頂上から下って戻り
- ウォーミングアップ完了
その後、本格的なギャロップに入ります。
トレーニング内容
- スピードは時速25〜30km/h程度
(そこまで全力では飛ばさず、心肺機能向上を重視) - 上り坂なので、馬にしっかりと負荷がかかる設定
- 足場はヨーロッパの競技場でも使われる白砂。
馬の脚に優しく、クッション性に優れています。
ギャロップが終わった後は:
- 3分間速歩+1分間常歩でクールダウン
- さらに5分間速歩でスタート地点まで戻る
この流れを、1頭につき2本行いました。
この日はなんと、7頭分。
大体1頭あたり約45分ほどかけて行いましたが、
日本でしっかりフィジカルトレーニングしていたおかげで、
体への負担は思ったよりも少なく済みました。
なぜここまで心肺機能トレーニングが必要なのか?
ここで、総合馬術におけるクロスカントリーの競技ルールと求められる体力について、
分かりやすくまとめた表を紹介します。
【CCI-S(ショートフォーマット)クロスカントリー規定】
レベル | 距離(m) | 障害数(回) | スピード(m/分) | 想定時間 |
---|---|---|---|---|
CCI1*-Intro | 2000〜3000 | 20〜25 | 500 | 4分〜6分 |
CCI2*-S | 2600〜3120 | 25〜30 | 520 | 5分〜6分 |
CCI3*-S | 3025〜3575 | 27〜32 | 550 | 5分30秒〜6分30秒 |
CCI4*-S | 3420〜3990 | 30〜35 | 570 | 6分〜7分 |
【CCI-L(ロングフォーマット)クロスカントリー規定】
レベル | 距離(m) | 障害数(回) | スピード(m/分) | 想定時間 |
---|---|---|---|---|
CCI2*-L | 3640〜4680 | 25〜30 | 520 | 7分〜9分 |
CCI3*-L | 4400〜5500 | 30〜35 | 550 | 8分〜10分 |
CCI4*-L | 5700〜6270 | 35〜40 | 570 | 10分〜11分 |
CCI5*-L | 6270〜6840 | 40〜45 | 570 | 11分00秒〜12分00秒 |
世界選手権・オリンピック | 5600〜5800 | 38〜42 | 570 | 9分50秒〜10分10秒 |
この表からも分かる通り、
例えば4スター(CCI4*-L)になると、
- 約6km以上の距離を
- 570m/分(時速約34km/h)
- しかも30〜40個の障害物を飛び越えながら
- 10分近く走り続ける
という、まさに極限の運動能力とスタミナが求められます。
トレーニングを終えて
たった1日のギャロップトレーニングでも、
馬も人もかなりの運動量。
でも、この積み重ねが
- クロスカントリーを走り抜ける力
- 障害物への正確なアプローチ
- 長時間集中力を切らさないメンタル
につながっていきます。
Windurra USAでのトレーニングは、
こうした「基礎体力の底上げ」にも非常に力を入れていると改めて実感しました。
これからこの環境で、
さらに身体も心も強くしていきたいと思います!
✍️ 次回予告
次回は、日常の馬のケアや、Windurraだから出来る管理についても紹介していきます!🏇🇺🇸
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